法話:「私の悩み」

「私の悩み」
常念寺 釋 義暁(篠田茂)

先日、私は働きざかりの方のお葬式をしました。

とても、つらいお葬式でした。

多くの方が会葬にきておられましたが、母親(喪主)は看病疲れと、信じられない現実に直面して憔悴しきっていました。

通夜・葬儀・初七日法要・二七日・・・忌明け法要と日々が過ぎていきましたが、 いまだ息子さんが亡くなった事が信じられず日々伏せっている状態です。 私がお参りに行っても「どうして、うちの息子が亡くなったの・・・」と泣くばかり です。私も最初どうしてあげたら良いのかわからず今でも悩んでいます。

「何を言ったらいいのだろうか」
「ただ、相手の話を聞いていく事しかないのだろうか」
「少しでも、悲しみを和らげれば、いいのだけと・・・」

そんなことを思い悩みながら、お勤め(読経)だけでも、しっかりさせていただきたいと思っています。

この母親が息子さんの「死」を受け止める日が来るには、暫く時間がかかりそうです。