学ぶ・考える

質問への回答

永年お参りしておりました、我が家のお内佛(仏壇)のご本尊が古くなって破損いたしました。つきましては新しいご本尊を入手致したく思います。お値段、購入方法等お知らせ願えれば幸いです。

お尋ねの内容についてですが、まず、ご本尊は本山、または各教務所にてお受けすることができます。

お住まいが名古屋ですと、名古屋教務所が名古屋別院の敷地内にございますので、一番近いのではないかと思います。また、本山に参拝の予定等がございましたら、本山の参拝接待所でもお受けすることが可能です。名古屋教務所にてお受けされる場合には、まず事前にお電話にてご連絡いただきますようお願いいたします。

ご本尊を絵像にあらわした掛け軸の大きさには各種あり、古くなったお軸の大きさを御確認下さい。また、表装が三種類ございますので、一度教務所にご来所いただき、見ていただいてからお決めいただくのがよいと思います。

本山のウェブサイトには、ご本尊等授与物の礼金表・軸の寸法表等が書かれたページがあります。下記URLをご参照ください。
http://www.tomo-net.or.jp/cere/juyolist.html

本山からお受けするご本尊の裏には「方便法身尊形(ほうべんほっしんのそんぎょう)」と、お裏書き(おうらがき)がされています。本来それは色も形もない阿弥陀如来の真実の用(はたら)き「法性法身(ほっしょうほっしん)」が姿形(すがたかたち)を現わし、私の前にましますこと(方便法身)を意味しています。

それは、日々の暮らしの中で苦しみ、悲しみにうちひしがれながら、しかもそれを訴える言葉も、場所ももたない人々を救おうと、立ち上がり、歩み寄る南無阿弥陀仏の、本願真実(ほんがしんじつ)のはたらきを表した尊形が、あの姿にこめられてあるのです。

如来の作願(さがん)をたづぬれば
苦悩の有情(うじょう)をすてずして
回向を首としたまひて
大悲心をば成就せり

と、親鸞聖人も『正像末和讃(しょうぞうまつわさん)』の「三時讃」に、なぜ如来が作願したのか、そのこころを尋ねれば、苦悩の有情(衆生)を摂取して捨てないためであると述べておられます。つまり、苦悩をなくすために救おうと如来が作願したのではなく苦悩を縁として、その衆生自身を救おうと立ち上がった姿が、あの尊形の姿であったのです。

今回、ご本尊を新調されるということで、阿弥陀仏の姿に願われている生き方を、いま一度みつめなおしていただく機縁となっていただければと思います。

回答者:恵林寺 釋 淳生(荒山淳)