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お経を聞く:嘆仏偈

嘆仏偈

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解説

嘆仏偈は、仏説無量寿経に書かれている偈文です。偈文(げもん)とは、経典の中の韻文をいい、四字八十句で構成されています。
内容は次のとおりです。阿弥陀仏が、成仏する以前の法蔵菩薩(ほうぞうぼさつ)である時に、世自在王仏(せいじざいおうぶつ)と出会います。そして、その説法をきいて、その目覚めた人との出会いに法蔵菩薩が溢れ出る感動を抑えきれず、その師である世自在王仏の気高い姿を仰いで、その徳を讃え、世自在王仏に向かって自分の信念と願いを述べたのがこの偈文です。その後、すべての生きとし生ける者を救いとろうと四十八の願をおこされていきます。
嘆仏偈は、一般の仏事としては、結婚式や建碑式、入仏法要などの慶事法要に主に用いられますが、毎日の朝、夕のお勤めに用いることもあります。

原文

光顏巍巍 威神無極 如是炎明 無與等者 日月摩尼 珠光炎耀 皆悉隱蔽 猶如聚墨 如來容顏 超世無倫 正覺大音 響流十方 戒聞精進 三昧智慧 威徳無侶 殊勝希有 深諦善念 諸佛法海 窮深盡奧 究其崖底 無明欲怒 世尊永無 人雄師子 神徳無量 功勲廣大 智慧深妙 光明威相 震動大千 願我作佛 齊聖法王 過度生死 靡不解脱 布施調意 戒忍精進 如是三昧 智慧爲上 吾誓得佛 普行此願 一切恐懼 爲作大安 假使有佛 百千億萬 無量大聖 數如恒沙 供養一切 斯等諸佛 不如求道 堅正不却 譬如恒沙 諸佛世界 復不可計 無數刹土 光明悉照 遍此諸國 如是精進 威神難量 令我作佛 國土第一 其衆奇妙 道場超絶 國如泥洹 而無等雙 我當愍哀 度脱一切 十方來生 心悦清淨 已到我國 快樂安隱 幸佛信明 是我眞證 發願於彼 力精所欲 十方世尊 智慧無礙 常令此尊 知我心行 假令身止 諸苦毒中 我行精進 忍終不悔

書き下し文(大谷派真宗聖典による)

光顔魏魏として、威神極まりましまさず。かくのごときの焔明、与に等しき者なし。日月・摩尼珠光・焔耀もみなことごとく隠蔽して、猶し聚墨のごとし。如来の容顔、世に超えて倫なし。正覚の大音、響き十方に流る。戒聞・精進・三昧・智慧、威徳侶なし、殊勝希有なり。深く諦かに善く、諸仏の法海を念じ、深を窮め奥を尽くして、その涯底を究む。無明・欲・怒、世尊永くましまさず。人雄・師子、神徳無量なり。功勲広大にして、智慧深妙なり。光明・威相、大千に震動す。願わくは我作仏して、聖法の王と斉しからん。生死を過度して、解脱せずということなからしむ。布施・調意・戒・忍・精進、かくのごときの三昧、智慧上れたりとせん。吾誓う、仏を得んに、普くこの願を行ぜん。一切の恐懼に、ために大安を作さん。たとい仏まします。 百千億万、無量の大聖、 数、恒沙のごとくならん。一切の、 これらの諸仏を供養せんよりは、道を求めて、堅正にして却かざらんには如かじ。たとえば恒沙のごときの 諸仏の世界、また計うべからず。 無数の刹土、光明ことごとく照らして、このもろもろの国に遍くせん。かくのごとく精進にして、威神量り難からん。我仏に作らん、 国土をして第一ならしめん。その衆、奇妙にして、道場、超絶ならん。国泥洹のごとくして、 等双なけん。我当に哀愍して、一切を度脱せん。十方より来生せんもの、心悦ばしめて清浄ならん。すでに我が国に到りて、 快楽安穏ならん。幸わくは仏、信明したまえ、 これ我が真証なり。願を発して彼において、所欲を力精せん。十方の世尊、 智慧無碍にまします。常にこの尊をして、我が心行を知らしめん。たとい、身をもろもろの苦毒の中に止るとも、我が行、精進にして 忍びて終に悔いじ。