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親鸞聖人750回御遠忌 第30組プレ大会(2010年5月23日)の報告

真宗の宗祖親鸞聖人(1173-1262)の750回御遠忌法要を翌年にひかえ、すべての真宗教団がこぞって法要および関連記念事業に取り組んでいるところです。この中で、私たち大谷派名古屋教区第30組でも、御遠忌法要への団体参拝とならぶ大きな事業としてこの「プレ大会」を位置づけ、組の総力を結集して取り組んできました。

私たちはこの大会を「プレ大会」と称しましたが、教団においては通常この種のイベントは「お待ち受け大会」と称されています。しかしながら、今日では「お待ち受け」といえば携帯電話の待ち受け画面を連想する人がほとんどであり、プレイベントとしての「お待ち受け」は、ほとんど「業界用語」と化していることから、私たちはあえてこれを避け、より分かり易い「プレ大会」という名称を使用しました。

この大会を実施するにあたり、僧俗28名より成る実行委員会を2009年秋に立ち上げました。日時、会場、イベント内容、広報手段、舞台設営など諸々の事項について何回も全体会議を重ねてきました。特に会場については、当初「東別院会館ホール」を予定していたところが、会館火事によって使用不可能となり、急遽同規模のホールを探すこととなり、幸いなことに名古屋都心に位置し480人収容の「テレピアホール」(東海テレビ事業部)を借りることができました。

入場料1000円のチケットを各寺院を通じて販売していきましたが、予想以上に好調な売れ行きで、あっという間に完売しました。もっと大きなホールを使用してもよかったと思われます。

大会当日は、朝から雨でした。天気予報では強い雨が降るとのことで、出足が心配されましたが、結果としては約340名のご参加をいただきました。雨にもかかわらず足を運んで下さった方々にはほんとうに感謝です。

大会のプログラムは主として以下のとおり。
(1)勤行
(2)記念講演
(3)舞楽

(1)勤行は、組内僧侶22名がステージ上に登壇出仕し、参加者と共に正信偈を同朋唱和しました。

(2)記念講演は、作家の青木新門氏。講題は《後生の一大事 ― 映画「おくりびと」と「納棺夫日記」のかはりめ》。アカデミー賞を受賞した映画「おくりびと」は、青木氏が葬儀社で納棺夫として勤めていたときの経験や思いをつづった「納棺夫日記」に触発されて制作されたのですが、青木氏はこの映画の原作者とされることを断固として拒否されました。納棺夫としての体験をとおして到達した宗教的心情が語られていきました。なお、「後生の一大事」とは、本願寺第八代の蓮如上人が手紙の中で使用した表現です。

(3)舞楽では、組から6名、組外から4名の楽僧に出演していただきました。はじめに雅楽「五常楽(ごしょうらく)」の演奏、そして、雅楽に使用される楽器の解説および真宗と雅楽との関係についての話をはさみ、最後に「陵王(りょうおう)」が舞われ奏されました。

会場では、書籍販売コーナーを設け、青木新門氏のサイン入り著書『定本 納棺夫日記』『つららの坊や』『いのちのバトンタッチ』、あわせて100冊が完売しました。

この種の大きなイベントは、私たちにとっては久しぶり、2000年の「蓮如上人五百回御遠忌お待ち受け大会」以来のことです。不安を抱きながらも、何とか無事に終えることができました。参加者のみなさんにも感銘をおぼえていただいたことと思います。この上は、一人でも多くの方々が来春の御遠忌法要に参拝していただくことを念願します。

参考: