同朋会交流のページ:投稿(釋健雄)
GBC2011に参加して
西暦2011年は、釈尊成道(お釈迦さまが覚られて)2600年という年でした。
インドの仏教団体「アショカミッション」により開催された「世界仏教会議(Global Buddhist Congregation)」(インド・ニューデリー/2011年11月27日〜30日)に参加してきましたので、ご報告させていただきます。
今大会は「人類の文明が大きな岐路を迎えつつある現代、ブッダの卓越した教えは、様々な国や文化に属する人々に、いかに生きるべきかについて貴重な指針を提示している。非暴力、慈悲、智慧を説くブッダの法(ダルマ)は、時代を超えて常に真理である。混迷を深める現代、これまでになく切実に仏法が求められている。」という主旨のもと開催されました。
そして、現代が抱える諸問題について、各国の僧侶、仏教研究者や信徒からの発表とパネルディスカッションが行なわれました。しかしながら、各テーマは会場を別に、同時進行で行なわれていた為、内容については全てを把握できていないので、ここにテーマと趣旨文のみ報告させていただきます。
(1)道徳と正しい価値観
仏教が、いかにして道徳と正しい価値観の促進に貢献しうるか、探求します。特に若者の間に道徳と価値観を促進する方法について模索します。
(2)紛争と暴力
暴力の根本原因についての理解を深め、紛争の解決を探る上で、仏教がどのように貢献できるかを探ります。
(3)政治と社会
仏教の大原則である非暴力、非競争、協調、人間としての責任について考え、それを政治・社会の分野にどのように組み入れることができるかを探ります。
(4)不安、鬱、孤独
仏教の瞑想や哲学が、いかにして不安、鬱、孤独を和らげることができるか探ります。
(5)環境危機
地球が直面している環境危機に対する理解を深め、個人や社会が環境保護に向けて責任ある行動をとることを促進するため、仏教がどのように貢献できるかを探ります。
(6)科学と技術
科学の発達や技術の正しい利用法を通して、人類に幸せをもたらし苦しみを取り除くために、仏教がどのように貢献できるかを模索します。
(7)生計と開発
人々が健全な生活をしながら生計を立てるあり方や、非暴力、環境保護、持続可能性に配慮した開発のあり方のモデルを模索するにあたり、仏教がどのように貢献できるかを探ります。
(8)仏教の継承と発展
仏教の伝統をいかに継承し、全世界の仏教コミュニティー間の関係を築く方法について探ります。
四日間の大会を通して感じたことは、仏教は、一人一人が業縁のままに生活する中に開かれることであり、生活(生きること)とともにあるということでした。現代の諸問題に、仏教がいかに応えうるか、といった概念的な話ではなく、また、諸問題への答えとしての仏教でもありません。私たち一人一人が、生活する上で抱える問題の上で、いかに仏教が開かれるのかが大事なのだと教えられました。発表された方々もやはり、それぞれの業縁のところでお話されていたように感じました。
どの時代、どこの人間にも間違いなく、その人の生活に開かれてくるからこそ、「ブッダの法(ダルマ)は、時代を超えて常に真理である」と言えるのでしょう。