仏説無量寿経という経典の中に
「吉祥、感徴して功祚(そ)を表章す。哀みて施草を受けて仏樹の下に敷き、跏趺(かふ)してしかも坐す」
とあります。吉祥とは童子(青年)のことです。その童子が釈尊の中に確かなものを感じられ、手にしていた草を釈尊に施されました。釈尊は童子のひたすら求める心を感じ、草を受けてその上に座られました。童子の中のものを受け止められた釈尊に、聞いていくことの大切さが教えられます。
先だって、この世に出る前に母親の胎内で息を引き取ったお子さんのお参りをさせていただく機会がありました。かなわなかったものの、世に出ることを求めたお子さんを思い、ご両親と相談して法名をつけさせていただきました。世に出たかった願いをいつまでも聞いていける機縁になれればと思いました。