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人生の苦悩は お育てくださるための ご縁です

正信偈に(聖典 205)

信楽受持甚以難 難中之難無過斯(信楽受持することはなはだもって難し、難の中の難、これに過ぎたるはなし)
とあります。
また「佛説無量寿経」には同じように(聖典 87)
若聞斯経 信楽受持 難中之難 無過此難(もしこの経を聞きて信楽受持すること難きが中に難し、これに過ぎて難きことなし)
とあります。阿弥陀仏の本願によるお念仏に出遭うことは、甚だ困難であると親鸞聖人は指摘されておられます。

昨年、今年と所謂逆縁(子が親より先に逝く)に出遭わせていただく機会がありました。
「親は子を見送ることはしてはならない。」
と、亡くなられた方のお母様は、通夜葬儀に出られませんでした。お悔やみの一言でも掛けようと弔問に駆けつけた我々は、失礼ながら拍子抜けしました。
お母様は毎月のようにお寺や別院の聞法会に出掛けるなど、仏法聴聞に熱心な方でした。自分自身に向き合う事の大切さを何よりも聴かれた方でした。 そのお方でさえ我が事となると動転し、子の死という自身に投げかけられた事実に向き合う事ができなくなったのです。

自分自身に向き合う事は、難の中のその又難、甚だ、と教えていただくご縁をいただきました。

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