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はからいが 自分を孤独ならしめる

マザーテレサは、

「人間にとっていちばん悲惨なことは、もう自分は誰からも見放されている。誰も自分のことを案じてくれないという思いを持った 時」
ということを常におっしゃっておられたそうです。だからこそ、道端に倒れた病人やお年寄りを収容して最後まで見届けていかれる。それは気の毒だから ではなくて、あなたを見放していないよということを伝える、そのための努力をなさってきたといえるでしょう。

仏教では、私たちの願った幸せが実現した世界を、天上界と教えて下さっています。幸せを追い求めて手に入れた天上界ですが、人間はいつかは心身の 衰えがやってきます。
天上界で、「天人の五衰」という言葉で説かれたものの一つに、
「不楽本居」−自分のいる場所が楽しめない見つからない苦しみ、があります。

今冬、隣県のケアマンションで生活していた伯父が亡くなりました。遺された義伯母は、知り合いのいないケアマンションより、住み慣れた自宅に 戻りたがっていますが、老齢を案じた周囲は承知しません。
当人の為と思う周囲の思い、はからいが、逆に当人を孤独にしてしまいはせぬかと思われてきます。

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