親鸞聖人は、他力とは阿弥陀如来の誓いの中に選び取られた法蔵菩薩の第十八願を一筋に信じて往生することと受け取られました。
天親菩薩の著された「浄土論」の
「世尊、我一心に、尽十方無碍光如来に帰命して、安楽国に生まれんと願ず」(聖典135)から、帰命尽十方無碍光如来、すなわち阿弥陀仏の名を称することだと受け取られました。
未曾有の巨大地震と大津波、原子力発電所の事故で国内の広範な地域が甚大な被害を受けました。
御遠忌第一期法要が中止になりました。被災された方々の悲しみを心に刻む支援の集いが真宗本廟で開催されることになり、御門徒を伴い上山すること
になりました。
私は率直に、これでよかったと思いました。
己のたかあがりの姿が、さらされたのではないか、そして多年にわたり参拝の準備を整えてきたのだから、成功して当然という思いが打ち砕かれました。
また、自分という存在が何を根拠にしているか問いただし、人間の脆さがさらされたのではないか、とも。
教えの根源を改めてたずねなければならないのでは、と思います。