地面の上に立ち上がって背筋を伸ばして、まっすぐ真上を仰ぐことができるのは人間だけで、他の四本足の動物は真上を見ることはできません。
江戸期の太谷派講師であった円乗院宣明師は聖人の『教行信証』の撰述の願いを
「大地に依って倒れ、大地に依って起きる」
と言い当てられました。
大地があるから倒れることができ、そのまま受け止める大地があって倒れることができる。大地が信頼なければ失敗した自分を
許せずに宙に浮かんで悶絶ばかりでしょう。
我も人もここに生きているのです。
愚禿鈔に
「真実浄信心は内因なり。摂取不捨外縁なり。本願を信受するは前念命終なり。即得往生は、後念即生なり。」(聖典430)とあります。
昨年の今頃は痛くて不安であった膝が、一年経ち、完治とまではいかなくても和らぎました。
痛める縁があれば、治る縁があるということでしょう。
治る大地(身体)を授かっている、生かされている大地を実感しています。