同朋会交流のページ:投稿(釋一乘)
真宗本廟「報恩講」参拝ツアーに参加して
去る11月26日、教心寺主催の「本山報恩講バスツアー」に参加させていただきました。
住職の行き届いた御案内のもと、快晴、秋色満面の道中、紅葉を各所に眺めつつ、一時はめずらしい朝霧の中を走行するチャンスにも恵まれました。
無事本山到着、御影堂に参拝。勤行・お斎・法話と、たいへん順調にお参りができました。住職が前もって準備していただいた「勤行集」に基づき、耳をそばだてて、目は経本、室内ビデオの映像を凝視しておりましたが、遂になぞることができず、目にも止まらぬ速さに驚きでありました。
次に大寝殿にて、報恩講お斎の一汁三菜を、礼儀作法にのっとり頂くことが出来ました。丁重なる御接待は、本廟出入り業者の代表の方々の御奉仕と知り、あらためて感銘を受けました。
再び御影堂に入り、真宗本廟法話。譲西賢師のお説教はよく心に入りました。隣接の阿弥陀堂に手を合わせ、14時、本山を後に帰路のバスに乗車、次の宇治黄檗本山萬福寺の参拝へと向かいました。今までの私の記憶に残っていたイメージに比べ、また一段と深い歴史の尊さを感じる参拝でした。おみやげに一番人気の手づくり「ぼけ封じ地蔵尊」のストラップを求めました。物事の判断がぼけないよう、本当のぼけが少しでも遅れますようにと願いを込めて、帰路のバスに乗り込みました。
ラッシュの時間帯、交通事故渋滞の表示板を見ながらも、道中たいへんスムースな運行、無事教心寺境内に到着、にこやかなお庫裏様の出迎えを受けました。多くの方々のお世話になった、楽しい一日が本当に感謝でした。
本廟御影堂の中央正面に座した時、たいへん懐かしい思いでが突如よみがえってきました。幼少のころ、名古屋別院の近くに住まいのあった祖父に連れられて、「お朝事」によくお供をしました。お勤めの後、半分に分けて頂いた和菓子の美味しかったこと、その味まで思い出せるようでした。子供の記憶でしょうか、その楽しい思い出を、第二次世界大戦となりB29による名古屋大空襲・全焼・焼け跡・疎開生活と断ち切られます。蟹江・西行寺様、祖父江・渡辺様方々にお力添えを頂きました。その後清州の地で尊敬すべき祖父は亡くなりました。戦後十年ぐらいは、美味な和菓子やパン類も皆無の生活、やっと町内会を通じて各家庭に「パン兌換(だかん)券」なるものが配られて、やっとコッペパンにありつきました。勿論お米はすべて米穀通帳なしでは手に入りませんでした。そんなたいへん貴重といえる体験をしながらも、日頃食の大切さ・尊さへの感謝を忘れている自分に気づかせて頂いた一日でありました。
『いのちは、あなたの思いを超えて生まれてきた。長いながい歴史をへて、今、あなたにまでいのちは流れてきた』
来たる「宗祖親鸞聖人七百五十回御遠忌」には、再び元気で、夫婦共々、また今度こそ孫を伴って、是非参拝させて頂きたいものであります。その日まで健康に日々過ごしたいと思います。