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第2期人権学習会の報告(2007年1月から5月まで)

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第1回

  • 日時:07年1月24日(水) 16:00~20:30
  • 会場:名古屋教務所2階講義室
  • 講師:大屋徳夫氏(真宗大谷派解放運動推進本部委員)
  • 参加者:13人+17人(名古屋教区解放運動推進要員)
  • 特記事項:名古屋教区解放運動推進要員研修会と合同で開催された。
  • 学習テーマ:「ハンセン病問題の取り組みについて」
  • まとめ

    まず大屋先生によってレジュメに沿って講義が行われました。講義とレジュメにより、療養所内でハンセン病患者に対して行われた全く人権無視のひどい扱いや、新しい命に対する恐ろしい行為が紹介され、参加者は皆心を痛めました。

    また、真宗大谷派は宗門としてハンセン病隔離政策に積極的に関わってきた時代から現代にかけ、どうようにハンセン病患者と向き合ってきたのか、について学びました。

    その後、座談会で意見交換等がなされ、講義の内容が深められました。

  • →レジュメを見る

第2回

  • 日時:07年2月17日(土) 19:00~21:00
  • 会場:名古屋教務所2階講義室
  • 参加者:11人
  • 学習テーマ:ビデオ「望郷の窓」を視聴して
  • ビデオの紹介

    大学3年生の大森聡美は、友人と一緒に軽い気持ちで「ハンセン病」についての講義を 受講することになった。ハンセン病についてほとんど何も知らなかった聡美は、講義の中で、 ハンセン病は、昔考えられていたような遺伝病ではなく、今では薬によって完治し後遺症も 残らない病気であることを知る。

    学生たちは、平成15年に起きた熊本の療養所の元患者たちへのホテル宿泊拒否の事件について討論する。その中では、「差別はいけない、間違っている。」という意見と「ホテル側の言い分もわかる。」という意見に分かれてしまう。

    聡美とその友人は、夏休みの課題研修として、ハンセン病患者療養所である熊本の菊池恵楓園を訪ねる。ビデオの内容はこの部分はドキュメンタリーとなり、二人はそこで実際に元患者の方々と会い、「宿泊拒否の事件」について話を聞く。その話の中で、宿泊を拒否したホテル側の謝罪には本当に反省したという誠意は無いと感じた元患者が謝罪の受け入れを断る事が起きたが、その発言の真意を十分に伝えきらなかったニュースに対して、世間から大変心ない誹謗や中傷が手紙やファックスで多く届けられたことを知らされ、二人は心傷つく。

    また、ビデオの中では、以前、恵楓園の中で使われていたという監房の復元されたもの。園内で一生を過ごして亡くなっていった方々の、引き取り手のないお骨。そして、社会と園を隔絶していた数100メートルにも及ぶコンクリートの壁の一部と、当時、その壁を削って開けられた小さな「窓」も紹介されている。その窓は「望郷の窓」と呼ばれ、一度連れてこられたら二度と故郷に帰れなかった患者たちが故郷を懐かしんで、せめて壁の外の世界を見ようとして開けたものであると説明がある。聡美はその痛ましい現実に思わず涙ぐんでしまう。

    一方、同行した聡美の友人や、聡美の従兄弟さえも元患者に対して「差別心があった。」、「中傷のファックスを送ってしまった。」と告白する。それらのことから、「差別意識のない差別」があることや、「特別悪い人ではないふつうの人が差別発言をしてしまう」ことに聡美は気付かされていく。

    大学に戻った二人は実地研修の結果を講義の中で発表する。学生たちは、「誰の心にも潜む差別の心」があることにうなずかされていく。

    ビデオは、講義の担当教官に「ハンセン病差別に対する自分なりの明確な答えはまだ出ていなない。」と語った聡美の就職活動シーンで終わる。

  • 概要

    ビデオ自体は大変よくできており、ハンセン病とは何か、人々の偏見や差別とは何か、元患者に対するホテル宿泊拒否事件とはどういうものであったのか、菊池恵楓園の実際様子等がよくわかるものになっている。

    ビデオ視聴の後は、真宗が当時療養所に収容されていた患者たちに行ってきた布教活動・救済活動はどういう内容であったのか、そしてそれは何が問題であり誤りであったのか。また、元患者に対して、今、真宗はどういう救済が出来るのか等について討論が続いた。

第3回

第3回学習会は、3月14~15日、岡山県長島愛生園での現地研修として「名古屋教区解放運動推進要員研修」に合流参加するかたちで行われました。第30組からは二人が参加しました。そのうちの一人である八神功信氏より報告文をいただきました。

長島愛生園にある恵みの鐘
恵みの鐘
(名古屋教務所 杉原隆氏撮影)

名古屋を早朝出発し、お昼過ぎに邑久長島大橋に着きました。30m程の海峡に架かる大橋は、人間回復の橋と言われたと説明を受けました。その後施設内を見学。死しても尚故郷に帰れない約3500もの遺骨が眠った万霊山納骨堂や、強制堕胎を受けた水子供養の墓にお参りしました。
小高い丘に上がり入所者職員の共同工事による恵みの鐘(右写真)、施設に入所直後各種検査やクレゾール消毒風呂に入浴させられた回春寮や監房の跡を見学しました。夕方からは真宗会館にて真宗同朋会の方々と交流会。隔離生活の中でも教えを聞いてこられた方々の思いに触れました。
翌日は入所者自治会非常勤執行委員の宇佐美治さんの、愛生園やハンセン病の今後の課題と題したお話をお聞きし、旧事務本館の愛生園歴史館を見学しました。
現在は長閑な風景が広がる島の過去には、非人道的な扱いや島からの脱走逃亡で多くの人が命を落とす悲しい歴史があったことを、波穏やかな海を眺めながら思いをはせた2日間でした。